SHODAI
EARTHENWARE

Country specification
traditional handicraft

暮らしの中で生きづくうつわ

小代焼について

熊本県の小岱山麓で
約400年前から焼き続けられている
九州を代表する「陶器」です。

その起源は、豊前藩・小倉城主、細川忠利の熊本移封にともなって、豊前上野で作陶をしていた陶工源七(牝小路家初代)と八左衛門(葛城家初代)が小岱山麓に移り住み、窯を開いたことに始まります。

釉薬の深い美しさと自由奔放な流し掛けの模様は素朴な味わいが有り、ふだん使いのうつわとして暮らしの中で生きづき、その力強い作風は茶陶としても愛されています。
深い藍と碧の地に白掛けが溶け込んだ釉薬が特徴の小代焼は、芸術品としての評価の高い焼き物です。また、器としての実用性も高く、熊本では五徳焼と呼ばれてきました。この五徳は、「腐敗しない」、「生臭さを移さない」、「湿気を呼ばない」、「毒を消す」、「延命長寿が得られる」という5つの効果の事を指します。

現在、荒尾市・南関町を中心に11の窯元が、小岱山特有の陶土を原料とし古くからの技術・技法を現在まで継承しています。平成15年に国の伝統的工芸品に指定されました。

制作工程

SHODAI

YAKI

PROCESS
  • 【原土】

    熊本県荒尾市の小岱山付近の粘土層から粘土を採取。
    鉄分や小石粒を多く含んだこの粘土は「小代粘土」と呼ばれ、特徴であるざらりとした肌合いは、この粘土から生まれます。

  • 【水簸 -すいひ- 】

    乾燥させた粘土を水と共に撹拌。
    ゴミや砂・石などを取り除き、泥水状になった粘土を沈殿させています。沈殿した粘土はきめ細く精製されます。茶陶などは味わいを出す事を目的に小石や砂の混じる粗い粘土を用いる事もあります。

  • 【釉薬 -ゆうやく- 】

    藁・笹・茅などの植物を原料とする灰と、雑木・樫・杉・松などの木を原料とする木灰、細かく砕いた長石などを調合して釉薬を作ります。その他に、鬼板と呼ばれる鉄を含んだ鉱石を、細かく砕いて配合する場合もあります。

  • 【釉掛け -くすりがけ- 】

    小代焼では、木灰釉・藁灰釉・笹灰釉・茅灰釉・鉄釉が用いられます。釉薬の調合や、焼成時の温度や炎の状態によって、青小代・黄小代・白小代と呼ばれる発色があります。また、釉掛けの技法には、「流し掛け」と呼ばれる釉薬を柄杓などで流しかける技法にも特徴があり、素朴さと大胆さが調和します。
    釉掛の技法は「浸し掛け」「杓掛け」「打ち掛け流し」「吹き掛け」「塗り掛け」「イッチン掛け」「蛇の目」「二重掛け」などがあります。

土と語り、
土を愉しむ
陶匠達の手仕事

SHODAI
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小代焼の窯

ガス窯

炎の調整がしやすく、温度管理・還元調整しやすいのが特徴です。
煙がほとんど出ないため、住宅街でも近隣に迷惑をかけることがなく、敷地があまり広くなくても窯を設けることができると言った現代の社会に適応した窯です。

登り窯

登り窯は、焼成室がいくつかに区切られていて、窯が斜面上につくられています。
焼成が難しく、ガス窯に比べて結果が不安定ですが、作品に灰が降りかかるため、それが景色となったり、趣となり作品に奥行きを加えます。

単窯

登り窯に比べ温度管理のしやすい薪窯です。
作品に灰が降りかかるため、同じ釉薬でも個々に色や表情がかわり、それが作品の趣となります。

小代焼窯元の会について

熊本県内の12件の小代焼の窯元が集まり、平成14年に「小代焼窯元の会」が発足しました。
平成15年には、肥後象がんや天草陶磁器と同時に国より伝統的工芸品の指定を受けました。
現在は、11件の窯元が会員として、
熊本県内を始め東京・大阪・福岡などでも「小代焼窯元の会」の展示活動を行っております。

会員一覧

小代焼 ふもと窯

(ふもとがま)

井上 泰秋・尚之

暮らしの中に輝く本物の美しさを求めて

小代焼400年の伝統を守るべく、六袋の登り窯で作品を焼き続けています。燃料には松薪、釉薬となる灰は木、藁と自然のものを使用。
「小代焼の伝統を現代の暮らしに調和させ、暮らしの中に光り輝くものを」をモットーに日々作陶に励んでいます。

熊本県荒尾市府本古畑1728-1
TEL 0968-68-0456
FAX 0968-68-4476
ACCESS 南関IC・菊水ICから車で約25分

小代焼 しろ平窯

(しろへいがま)

城島 伸明

先人の陶情を現代に伝える

昭和21年(1946年)に初代の城島平次郎は、一度途絶えた小代焼を、戦後研究所として窯を再興しました。二代・英一郎は初代の技法を受け継ぎ、時代の変遷の中ひたすら先人の陶情を心として研鑽に励んでまいりました。現在、三代・伸明も伝統を守りながら、時代に合った「用と美」の芸術性を求めて精進しています。

熊本県荒尾市大島下25-3
TEL 0968-62-0538

小代焼 中平窯

(なかでらがま)

西川 講生・智成

力強い意匠と柔らかな色合いを調和させて

素朴で逞しい小代焼。その魅力と伝統を守りながら、多くの方々に楽しみながら使っていただけるような、生活に根ざした器を作り続けています。
小代粘土を用いた独特のうわぐすりと、ワラ灰、木灰釉との調和の施釉により、力強くも柔らかな色合いを出しています。

熊本県荒尾市樺1192
TEL 0968-68-7326
FAX 0968-68-7153
MAIL h0306tomonari@yahoo.co.jp
HP https://www.nakaderagama.jp
ECサイト https://nakaderagama.shop-pro.jp
ACCESS 南関IC・菊水ICから車で約25分

小代本谷 ちひろ窯

(ちひろがま)

前野 智博

ふだん使いの器に小代の心を

使って、持って、手になじみ、食器を中心とするふだん使いの物を主に作成。生活の中に潤いをモテるような魅力ある器づくりを心掛けています。伝統に甘えることなく、古い物、新しい物を織り交ぜながら、自分の目指す小代に一歩ずつ近づけて行きたいと思っています。

熊本県荒尾市川登2131-74
TEL/FAX 0968-68-6459
MAIL syoudai.chihirogama@gmail.com
HP https://chihirogama.com
ACCESS 南関IC・菊水ICから車で約25分

小代松風焼 野田窯

(のだがま)

野田 義昭

伝統の古松風の息吹を現代に

松風焼野田窯は、嘉永年間、小代焼葛城窯で学んだ野田廣吉により玉名郡南関町堀池園苑に登り窯を開いたのが始まりです。松風焼は代々継承されましたが、昭和12年に閉窯となりました。昭和56年より窯の再興を志向し、先代が残してくれました文献・作品をたよりに古松風焼に迫る作品づくりに努力いたしたいと思います。

熊本県玉名郡南関町関町1566
TEL/FAX 0968-53-1531
MAIL matsukazeyakinodagama@gmail.com
ACCESS 南関ICから車で約5分 / 新大牟田駅から車で約20分

小代焼 たけみや窯

(たけみやがま)

近重 眞二

器…それも存在感がある…

素朴ながら、つい手を伸ばしたくなるような存在感のある器、美しく使い勝手の良い器を一品一品真心込めて造っています。絶えかけた小代焼を現代まで存続させた健軍(たけみや)窯、初代・近重治太郎の目指したもの、またその思い。心を作品にうつし、今の世に伝えていけるよう願っています。

熊本県上益城郡嘉島町北甘木2222番地
TEL 096-285-7563
FAX 096-285-7564
MAIL info2@takemiyagama.co.jp
HP http://www.takemiyagama.co.jp
ECサイト https://www.creema.jp/c/takemiyagama
ACCESS 御船ICから車で約10分

小岱焼 末安窯

(すえやすがま)

末安 英介・洋介

楽しんでつくり、楽しんで使ってもらえる器を

小岱山の土にこだわり、自然の力を借りて作陶し続けています。
器づくりはその人となりがわかる仕事。作り手の物のとらえ方、考え方、生き方は全て器から滲み出てきますので常に真剣勝負です。それでも遊び心を忘れずに、楽しく作っていますので、楽しく使っていただきたいとおもいます。

熊本県荒尾市府本1712-2
TEL/FAX 0968-68-0058
MAIL sueyasugama@gmail.com
HP http://www.sueyasugama.com
ECサイト https://sueyasugama.stores.jp
ACCESS 南関IC・菊水ICから車で約25分

小代 瑞穂窯

(みずほがま)

福田 るい

独自の焼成方で焼き上げる暮らしに生きるうつわ

伝統とは、灰を守ることではなく、燠(おき)を密かに保ち続けることであるー
時代によって代わる器の形態を、いかに現代の生活に生かし、提案していけるかを模索中、基本をふまえながら、100年後に伝統となっていれば、嬉しいかも。

熊本県荒尾市上平山字庄山914
TEL 090-4588-3665(福田)
MAIL mizuhogama@gmail.com
ACCESS 南関ICから車で約20分

小代焼 岱平窯

(たいへいがま)

坂井 博樹

独自の割竹式登り窯が生み出す自然の美

1970年初代岱平が古小代発祥の地に思いを寄せて開窯しました。
四季の彩りが濃い小岱の里で、小岱山の鉄分の多い胎土に、熊笹、ワラ灰を原料とした自然の釉薬を使っています。独自の「割竹式登り窯」で、素朴で力感あふれる作品、土の温もりが漂う作風を継承し、創造できるよう親子で日々努力を重ねています。

熊本県玉名郡南関町宮尾470
TEL/FAX 0968-53-9245
MAIL taiheigama@gmail.com
ECサイト https://taiheigama.stores.jp/
ACCESS 南関ICから車で約15分 / 菊水ICから車で約20分 / JR大牟田駅から車で約20分

小代焼 一先窯

(いっさきがま)

山口 友一

地元の土、藁にこだわり、暮らしに根付く作品を

”伝統と現代を併せ持つ器”をコンセプトに地元である熊本県玉名地方の土を使用し、ワラ灰を使った伝統的な青小代釉や、マットな質感が美しいつぶ化粧釉・黒釉などオリジナルの作品を展開している。

熊本県玉名郡長洲町大字永塩1612-3
TEL/FAX 0968-78-5631
MAIL issakigama@gmail.com
ACCESS 南関ICから車で約35分 / 菊水ICから車で約25分 / JR長洲駅から車で約5分

小代焼 松橋窯

(まつばせがま)

長木 實

伝統の魅力を現在の暮らしに映して

素朴で力強い作りの小代焼は茶器や食器に使われ、愛されてきました。白小代、黄小代と呼ばれる釉薬で変化する色味の美しさが魅力です。魅力と伝統ある小代焼の特徴を守りながら、毎日の生活に楽しく使ってもらえる作品を作り続けています。

熊本県宇城市松橋町松橋661-1
TEL/FAX 0964-33-3168
ACCESS 松橋ICから車で約10分 / JR松橋駅から車で約5分 / 産交バス松橋営業所から徒歩で約5分

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